So I’m just sittin’ on a fence
バッタ 3
バッタの目が白かったのです。
そのバッタはもう、死んでいたのです。
ススキにしがみついたまま死んだのです。
私は、もう何も考えられませんでした。もう、考えるのはやめました。
その場で立ち上がり、基礎のところまで戻るとスコップを取り、
トラックの方へ歩きました。
荷台にスコップを放り投げ、運転席に座りエンジンをかけました。
騒がしいカーラジオのスイッチを切って、車を出しました。
今日の仕事はこれで終わりです。家では子供たちが待ってます。
そして、また明日もここで穴を掘ります。
・・・それから2週間ほどして、モータープールが出来上がりました。
いくつかの畑はアスファルトできれいに舗装され、たくさんの白線が引かれています。
そして、そこには同じ顔をした車がぎっしりと肩を並べて止まっています。
フェンスの外では、相変わらずススキが冷たい北風に吹かれています。
私の張ったフェンスは、アスファルトと畑の境に立っています。